
☆ ☆ ☆★ (5点満点 ☆=1,★=0.5)
ケン・ローチはイギリス人であり、アイルランド人ではない。
例えば日本人監督が、日本人が占領していった国々を舞台にした映画を
日本を美化せずに撮れる?
中国人を主人公にした、虐殺の映画を撮れる?
撮れないと思う…。
映画には関係ないかもしれないけど、このことが驚いたというより、凄い。
2006年のカンヌ映画祭パルムドール受賞作。
こういう映画が賞を獲って、宣伝にもなって、多くの国に配給されて、
沢山の人がこの映画を観ることが出来る。
これがまたすごいことだと思う。
簡単にオススメは出来ないけど、沢山の人に観て欲しい。
ケン・ローチは『やさしくキスをして』、『明日へのチケット』しか観たことなくて、
どっちの作品も好きだけど、社会派なんて呼ばれるくらいだから、
こういう映画が彼の一番の得意とするところなのかもしれない。
でも、もっとちょっと肩の力を抜いたシーンが欲しかったと思う。
残虐なシーンはあまりないけれど、途中息が詰まるような感じがして…。
だからアイリッシュ・トラッドで躍るシーンや、ラブシーンがすごくキレイで、
良かったから、そういうシーンがもっともっと観たかった。
そしてアイルランドの風景と、その中を女性が自転車に乗ってくるシーンは
一番好きなシーン。本当に美しいシーンです。
身につまされるような気持ちになる映画だけど、考えさせられる。
21世紀になった今も、この映画と同じようなことが世界中で繰り返されている。
戦争が愚かなことだと分かっているのに…。
そして平和な国に生まれたことを本当に感謝しないといけないと思う。

